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まだある「江陵」の『王女の男』撮影地、こちらは有名な姉と弟の生家、キーワードは「ホンギルドン」

  江陵(カンヌン)というところ、こんなに伝統的な家屋が多く存在する地だというのを、本当に今回「王女の男」で調べていて初めて実感しました。
以前から時代劇ばかりではなく、現代ドラマの撮影地としてもよく耳にしたこの「江陵」ですが、ただ観光地としても撮影地としても少しばかり目立たない存在というか、華やかな表舞台を嫌うかのような、地味で落ち着いた雰囲気を守り通してきた、そんな土地柄のような気がしています。

  このところ、「船橋荘( ソンギョジャン)」、そして「鳥竹軒(オジュッコン)」という江陵にある伝統的家屋のことを書いてきています。
もちろん、このブログは〝大好きな韓国時代劇の話題〟を中心にしているのですから、当然ながら新番組の「王女の男」の撮影地として紹介はしています。
しかしながら、この江陵という土地は、韓国の伝統的な街並みとして有名で、観光客が押し寄せる「全州」以上に魅力的な、韓国の伝統美が守られ息づいている場所ではないだろうかと個人的には思えてなりません。

  
  日曜日に放送された「王女の男」の特番を見ましたか?
このドラマ、内容もさることながら、その背景となる場所、つまり撮影された場所の幅広さに驚かされます。
あの45分間という短い番組の間の、しかも半分にもなってしまうドラマ映像の中でさえ、いくつもの韓国の伝統的な観光地や撮影セットのあるテーマパークが出てきていました。
その精力的な撮影は、あの韓国の隠れた観光地を随所に見せていた「推奴(チュノ)以上かもしれません。
ただ、「推奴」の場合は美しい自然や雄大な風景が主体だったのに対して、この「王女の男」は朝鮮時代から引き継がれている〝伝統美〟を主体にしているように思えます。
  ですから、前半の両班の様式が中心の風景に、江陵のいくつかの伝統家屋がその撮影場所に選ばれたのではないでしょうか(?)
そして、これまでの記事でその内の2ヶ所を紹介してきましたが、江陵の伝統家屋で「王女の男」の撮影地となっていたもうひとつの家屋があります。


  「許蘭雪軒」、日本読みをすればそのまま「きょらんせっけん」、韓国読みをすれば「ホ・ナンソロン」という女性を知ってますか?
1563年に生まれ、たった27年という短い生涯でしかありませんでしたが、今でも、いえ、今だからこそ語り継がれる女流詩人・女流文学者です。

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  以前に放送されたことのあるドラマ『ホ・ギュン 朝鮮王朝を揺るがした男』の中でもホ・チョヒとして、嫁ぎ先で好きな文学もままならず虐げられた女性として登場してましたから、名前に記憶のある方はみえると思います。
女性蔑視の当時の朝鮮の時代に、女性による女性主体の作品を書き残し、この方も韓国の新札発行の時には、肖像画の候補者の一人として名前が挙がった人物です。
ただ、女の身での文学者なんてのは、日本でもそうでしたが、ましてや朝鮮ではとんでもないこととして、過去にはなかなか認められるものではなかったですから、作品は朝鮮ではなく日本や中国で先に認められたものの、その生涯としては短く悲しいものでしかなかったようです。

  そして、その弟が「許筠(ホ・ギュン)」なんですね、こちらもドラマを見た方はご存知のように、光海君(クァンヘグン)の事件に巻き込まれて波乱万丈の人生をおくった人物なんですが、韓国の時代劇が好きな人ならこの「ホ・ギュン」という人物そのものよりも、そのハングルで書かれた最初の小説とされる『洪吉童(ホンギルトン)伝』の方が親しみがあるかもしれません。
前々から映画やドラマの題材としてよく使われてきた「洪吉童」、そして最近ではカン・ジファン主演のドラマが記憶に新しいところです。
そうなんですよね、あの「快刀 ホン・ギルドン」のドラマ自体はかなり創作的でしたが、その本元となる小説を書いたのがこの「ホ・ギュン」なんです。

『ホ・ギュン 朝鮮王朝を揺るがした男』より、「ホ・ギュン」と「ホ・ナンソロン(ホ・チョヒ)」
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  この韓国の文学史に名前を残す姉と弟の生家がやはり江陵にあります、となればお解かりでしょう[わーい(嬉しい顔)]
この「ホ・ナンソロン」さんと「ホ・ギュン」さんの生家も、今度のドラマ「王女の男」の撮影地になっているんです。

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  でもね、我々日本人がこの人たちの生家や、お札になっている母子の家を、画面の中で区別するなんてのはなかなか難しいと思います。
ですから、あの「王女の男」の中の両班の風格を残す建物の中には、この江陵にある、有名な母子と姉弟の家も使われているんだな、って思いながらドラマを見ていくことにしましょう。

  詳しいアクセスの載っている日本の観光サイトはありませんが、
    江陵駅から 29番(回)バスやタクシー利用  と書いてあるものがあります。
         観光案内所(江陵駅) 033-640-4534

   許蘭雪軒 生家(許筠・許蘭雪軒記念公園)
    허난설헌 생가터(허균·허난설헌 기념공원)
       033-640-5118  江原道 江陵市 草堂洞

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