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「幻の王女チャミョンゴ」が見せた、聞慶セジェ 『鳥谷関』のリバーシブルな魅力

  何度も書いている聞慶(ムンギョン)市にある「聞慶セジェ」、その中の一番の名所としてあげたら、やっぱりドラマ「善徳女王」の最終回を飾った、第一関門である「主屹関」があげられると思います。
長く延びる城壁を従えたその姿は、威風堂々としていながらも、その中に華麗なラインを見せていてとっても魅力的です。

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  ところがドラマの世界ではそうじゃない。
今や〝韓国のハリウッド〟と呼ばれる聞慶道立公園の中にあって、韓国時代劇に登場するナンバーワンは第二関門である「鳥谷関」です。
この門の韓国時代劇登場回数は群を抜いています。
ちょっとした関所的なシーンでの登場を入れたら、そりゃあもう撮影所のセットよりも作品数は多く登場しているくらいです。
以前から紹介しているように、「推奴」やら「善徳女王」やら「王と妃」やら、数え上げたらきりがないくらい。

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  そして最近この門を多く見られるドラマが、放送中の「幻の王女チャミョンゴ」
先週・先々週の放送での、ホドン王子の見せかけの亡命シーンでも、この「鳥谷関」が登場したばかりです。
楽浪の「ウンポ関」の城門として登場してましたが、このシーンを見てすぐに〝これまでの鳥谷関〟とは判りにくかったかもしれません。
なぜなら、いつもドラマに登場する側とは逆の、裏側からの撮影がされていたからです。
これまで「善徳女王」の戦闘シーンでも少し裏側の姿は見られましたが、こんなにもきちんと映されていることはあまり無いことのように思います。

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  以前にもこの「幻の王女チャミョンゴ」では、「ウンポ関」として度々登場していて、表側だけだったり、裏から表側へ抜けるシーンだったり、この「鳥谷関」のいろんな姿を見せてくれています。
こんなにもこの門を、いろんな角度から撮影したドラマは珍しいかもしれません。
  とにかく、この門が今や韓国時代劇には欠かせない存在になっているのは確かです。

以前の「幻の王女チャミョンゴ」より
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  確かに、見るからに山間の関所の風情を残す佇まいをしている城門ですから、映像的にはもってこいの風景の中にあります。
だけど、韓国時代劇に多く使われる理由はそれだけではないような、それを教えてくれるのがこの「幻の王女チャミョンゴ」だという気がしました。

  堂々とした姿を見せる第一関門の「主屹関」ですが、長い城壁に活かされているにすぎないから、ドラマに使われてもそれを入れて撮影しなきゃ魅力がないために、どうしても同じような風景にならざるをえない。
ましてや入った裏側の姿といったら 「うーん …」って感じなんですよねえ。

「主屹関」の裏側
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  そこで、第二関門である「鳥谷関」を見てください。

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  どこから見たってとっても堂々としたいい風情を演出している、どちら側から撮影したって、守りを固める城門にふさわしい姿をしていると思いませんか?
こうしたことを思いながら改めてこの「鳥谷関」を見直してみたら、これまでは「主屹関」の方に魅力を感じていたのが、この「鳥谷関」の方が、はるかに魅力的ないろんな姿をしていることに気付きました。

  多くのドラマに使われる理由もこんなところにあるのかもしれません。
同じひとつの城門なのに、カメラが捉える角度によっていろんな姿を見せてくれる、しかもそれが堅固な凛とした姿であると同時に、古き城門の風情を残している姿なんですから。
これっていろんな角度から撮影することによって、同じセットがまったく別物に見えるという、撮影用に造られた撮影所のセットに似ています。
史跡であるのに、撮影にはもってこいのリバーシブルな要素があり、しかもセットではない本物の重厚さもある。

  「幻の王女チャミョンゴ」というドラマは、この「鳥谷関」の魅力を存分に惹き出して撮影していたといえそうです。
それから気付きましたか? 以前に表が登場したのが高句麗側の風景として、そして今回の裏の姿は楽浪側の風景だったんですよ、まさにリバーシブル活用の撮影です。
このドラマに携わったスタッフは、すばらしかったりお間抜けだったり、本当によく分かりませんが(笑)、自分には「鳥谷関」の魅力を再認識させてくれたのは事実のようです。

  ところで、この「鳥谷関」はドラマ登場頻度が高いからって、あっちこっちから画像を撮ってきましたが、早々にそれを活かすことができちゃいました[わーい(嬉しい顔)]

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